JAXA所属の惑星科学者で元NASAのジェームズ・オドノヒューさんが太陽系を正確に描写することの難しさについて説明したアニメーションを制作しました。
この動画では太陽系の天体の大きさについて説明しています。水星、金星、地球、火星と比較して木星が非常に大きいことがわかります。太陽はさらに大きいです。授業では、多くの場合実際より大きく拡大した太陽系で説明するため、正しい縮図を理解している生徒は少ないと思います。
こちらは太陽系の惑星や衛星の自転について説明したものです。天体の自転軸は傾いており、その傾きは天体ごとに異なっています。また、自転速度や公転速度も天体ごとに異なっています。このような細かい情報も太陽系の動きを表現する上では重要です。
本当の大きさで描いた太陽系
太陽系の本当の大きさ、自転や公転などの動きを正しく表現したものが上の動画です。太陽の周りに、ただ輪っかが並んでいるだけのように見えます。実際の宇宙では公転軌道は見えないので、ただ太陽が光っているだけに見えてしまいます。太陽系を正確に描くと何も見えなくなってしまうとオドノヒューさんは説明しています。この動画では、惑星を見えるようにするためにそれぞれの天体を1000倍に拡大しています。しかし、今度は惑星と比較して大きい太陽に惑星が飲み込まれてしまいます。仕方がないので太陽を縮小し、更に惑星を3500倍にすることで太陽のモデルを表しています。こうして、実際のサイズとは大きく異なる太陽系のモデルをが作られました。太陽系を説明するとき、簡易モデルを使うのは仕方がないことですが、太陽系の授業などで、一度太陽系の本当の姿について説明することで宇宙の壮大さが伝わるように思いました。