3年生の様々なエネルギーの単元で使えそうな授業ネタです。太陽のエネルギーを使って海水から塩分を取り除くことができるというのです。どういうことなんでしょうか?
世界の水不足は深刻化しています。環境汚染や砂漠化、人口の増加により、安全に飲むことのできる水はどんどん減っています。世界の総エネルギーの数%が水の処理に費やされているという情報もあります。
そんな中、モナッシュ大学工学部化学科のシーワン・チャン教授が率いる研究チームが海水を淡水化させる装置を開発しました。この装置は、超親水性のろ紙をカーボンナノチューブでコーティングしてディスク状にしてつくられています。この装置に入った海水はカーボンナノチューブが吸収した太陽光の熱エネルギーによって蒸発します。蒸発した真水はカーボンナノチューブにコーティングしてある超親水性のろ紙に吸着されます。熱エネルギーで結晶となった塩分は蒸発脱水ディスクの外縁部から排出されます。下の動画はこの装置で実際に海水から塩分を取り除いている様子です。科学の力でたくさんの命が救われることができればいいなぁと思いますね。