ディズニー映画の「カール爺さんと空飛ぶ家」は老後、独り身になったおじいさんが家を風船で飛ばすという物語です。風船で空を飛ぶというのは小さい頃誰もが抱く夢ではないでしょうか?今回はそんな風船で空を飛ぶということについて科学的に考えてみたいと思います。
子どもの頃、風船といえば、上の写真のようなデパートやテーマパークでもらえるものを想像する人が多いと思います。ご存知の通り空気より軽いヘリウムが入っているため、浮力がはたらいて浮くのです。しかし、ヘリウムは小さい分子なので、少しずつ風船はしぼんでいきます。すると、浮力もちいさくなります。ここで問題です。
浮力と重さがつりあうと?
浮力が小さくなり、風船(ゴム)の重さが浮力が釣り合うとどうなるでしょうか?
これは、一年生の力の釣り合いの単元で話のネタとしてつかえます。正解は、「空中で静止する。」です。つまり、風船を空中の好きな場所に置くことができるようになるのです。やってみると本当に面白いです。実験するときは、ティッシュなど軽いものを重りにして調整してみてください。でも、よく考えたら当たり前ですね。上向きと下向きの力が釣り合っているのですから。この原理を使っているのがこちらです↓
そう、飛行船です。最近見なくなりましたね。生徒に話すときは「魔女の宅急便
」の話から始めると「あー、あれかぁ」と盛り上がります。
飛行船は、浮力と下向きの力が釣り合っているので空中に停止しています。進みたい方向と逆向きに空気を動かすと作用反作用の法則がはたらき、上下左右好きな方向に移動することができるのです。ちなみに潜水艦も同じ原理のようです。面白いですね。身近なものでも、原理を知らないものが多いことに驚かされます。雑談ではないですが、子どもに「そーなんだ」と思わせることができれば理科の授業は成功だと思います。
話は変わりますが、世界的にヘリウムの供給量が不足しているそうです。飛行船はもう2度と見れないかもしれませんね。