小学校で身につけたい科学的な思考力、比較→関係付け→条件制御→推論

小学校の理科では各学年ごとに科学的な考え方を段階的に教えていきます。

  • 3年生で比較
  • 4年生で関係付け
  • 5年生で条件制御
  • 6年生で推論
という流れです。中学で
「科学的に考えなさい」
とか
「論理的に考えなさい」
と言われても、小学校でこれらの考え方を教えてもらってなければ何が科学的(論理的)なのかがわかりません。中学一年生の段階でこれら4つの考え方を生徒に伝えたいものです。

小学校で身につけたい科学的な思考力

この掲示はある小学校の理科室です。
各学年ごとの考え方と発表方法が載せられています。

3年【比較】

2つのことを比べて、違いや同じところを調べる。
◯◯と⚫⚫を比べてみました。
同じ(似ている)ところは・・・
違うところは・・・
◯◯についてAとBで比べてみたら、Aは・・・で、Bは・・・です。

4年【関係付け】

はたらきや時間などを関係付けながら調べる。
Aが増えてもBは変わらない。だから、AとBは関係がない。
Aが増えたらCも増えた。だから、AとCは関係している。

5年【条件制御】

変化やはたらきをそれらに関わる条件に目を向けながら調べる。
変える条件は・・・、変えない条件は・・・。結果は・・・なので、・・・なことがわかった。

6年【推論】

自然の物事に関する原因や決まり、関係について仮説を立てながら予測する。
◯◯ということや◇◇ということを合わせて考えると、△△だと思う。
もし・・・仮説A・・・だと、◯◯ということが起こるし、
もし・・・仮説B・・・だと、△△ということが起こる。
これらを比べると◇◇ということがわかるのではないかと思う。
小学校で科学的なものの見方、考え方をここまでしっかり指導してもらえると中学校としては本当にありがたいですね。
小中連携して子どもたちの科学的な力を養っていきたいと思いました。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)