金属の熱膨張

金属は水などに比べて熱による体積変化が小さく、生徒の実感が生まれにくいと感じます。今回は球膨張試験器を活用し実験を考えます。

金属の熱膨張がわかる実験

この実験器具は、金属球と2つの金属の輪からなります。一方は金属球より内径が微かに小さいため、球は通りません。
他方は金属球より微かに大きく通り抜けることができます。

①輪を温める

まず、通り抜けない方の金属の輪を熱します。十分に熱した後、金属球を通すと・・・
ドキドキ・・・
おー!通り抜けました!熱することで輪が大きくなったことがわかりました。
②球を温める
次に金属球を熱します。すると・・・
通り抜けていたはずの輪につっかえました。金属球が熱によって体積が増えたことがわかります。

③熱した鉄球を水につけると・・・

金属の輪も金属球も実験で熱した後は必ず水に浸けてください。水につけた瞬間に
ジュワー!
っとすごい勢いで周りの水が沸騰します。これを見たら、熱した金属の危険性が子どもたちにと伝わるはずです。必ず実験ごとに水に浸けさせるのを忘れないでください。
これらの実験から金属は熱すると体積が増えることがわかりました。では、冷やすとどうなるのでしょうか?やってみましょう。
④球を冷やす
これは100均に売っているコールドスプレーです。手軽に物資を冷やす時に重宝します。
まずは金属球を冷やしてみます。
氷の球です。実はやってみても、なかなか小さい方の輪を通り抜けてくれませんでした。成功した方もいるそうですが、冷えが足りないのかうまくいきません。仕方がないので逆に大きい方の輪を冷やすことにしました。

⑤輪を冷やす

2分ほど冷やしたところ
つっかえたー♩
いやー、やっぱり実験がうまくいくと嬉しいですね。言葉で説明するだけなら簡単ですが、子どもたちには実験を通して確かめる喜びを感じさせてあげたいと思いました。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)