温度を表す単位に摂氏(℃)と華氏(℉)があります。日本では摂氏を使うのが普通なのでアメリカなどに旅行に行った時にテレビで温度を見ても華氏表示でびっくりすることがあります。では、この摂氏と華氏はどのように決まったのでしょうか?
<℃ができるまで>
まずは日本でもおなじみの摂氏。℃と表し、セルシウス度と呼びます。スウェーデンの天文学者のアンデルス・セルシウスさんが1742年に考案したものが元となっていますです。水の融点(凝固点)を0、沸点を100として、その間を100等分して温度を表すのがセルシウス度です。摂氏と書くのはセルシウスの中国語読みの頭文字の摂に人名につける接尾辞の氏をつけたからです。
<℉ができるまで>
一方華氏は、℉と表します。ファーレンハイト度と呼びます。摂氏と同じくファの音を中国語では華と書き、氏をつけて華氏とよぶようになりました。ファーレンハイトはドイツの物理学者でした。彼は自分の体温を100度、身の回りで最も低い温度を氷、塩化アンモニウム、水で作り出し、これを0度としたという説がある。ファーレンハイト度はこの差を12等分し、その後8等分することで96に分けた。結果として、水の融点が32℉、沸点212℉となり、180に区切られることとなった。
℃と℉の大きな違い最高温度と最低温度を10を基準に区切っていくか、2を基準に区切っていくかです。
どういうことか紙を例として考えてみます。
↑A4の紙を4分の1に切ったものです。これを10等分できますか?
半分の半分の半分の・・・と折り目をつけてみても10等分はできません。
10等分するためにはまず、3等分します。方法は上の写真のように斜線を作ります。
相似な3角形の比の関係で3等分することができます。
↑3等分した紙
3等分した線を利用してさらに5等分の線を引きます。
5等分ができたらそれぞれの中心線を引けば10等分することができます・・・苦労しますね。10等分や100等分はとても大変だということがわかります。
反対に華氏のように96等分は簡単です。私たちが快適に暮らしている裏側には先人達の並々ならぬ苦労があることがわかるお話でした。