フランスを中心に欧州で売れ残りの食品廃棄が問題視されています。しかし、食品廃棄の問題は新興国でも起こっているのです。
今回ご紹介するのはインド南部で食品廃棄問題ををあるアイディアで解決し、多くの人を幸せにしたある女性についてです。
「想像してみて。誰もがベッドに就くような時間だっていうのに、外に出て食べるものを探さなければいけない状況。それくらい、お腹が空いているってことでしょ?」
と語っています。
冷蔵庫は「nanma maram(=善意の木)」と名付けられ24時間いつでも誰でも開けて食事を取って行くことができるようになりました。
今日も、Paulineさんの冷蔵庫を、多くのホームレスの人たちが利用しています。彼女のレストランからも、一日75〜80人分の食事(売れ残りですがまだ食べられるもの)が提供されています。しかし、それだけでなく、近隣の飲食店からもこの冷蔵庫に入れてほしいと、食べ物の提供があるそうです。捨てることを考えたら誰かの役に立つ方が食べ物に取っても、経営者に取っても、そしてホームレスの人たちに取っても気持ちがいいですもんね。今では、新聞やテレビの報道で冷蔵庫の存在を知った地域の人々までが、路上で生活する困った人たちのためにと食事やミネラルウォーターを差し入れにやって来るそうです。
当初、レストラン前に設置した冷蔵庫に、客寄せの単なる”売名行為”だと非難の声も挙がったそうです。しかし、Paulineさんは批判を百も承知で、そのリスクを背負いこむ道を選んだのです。彼女の決心が現れているのが下の文章です。
「たとえ、それがリスキーだったとしても、社会が良い方向に向かうならやろうと思ったんです。だって、これまで誰もそれをやって来なかった訳だから。結果、何も変わらなかったんです。
どれだけ自分で稼いだお金を浪費しても、それは自分のもの。でも、社会の資源を無駄につかっていい訳はないでしょ。資源のムダもダメ、食品ロスもダメなんです」