テストは特に難しいものではありませんでした。しかし、ゴー・ノーゴー課題の中でも「認知ではなく感情に訴える」場合において大きな差が現れたのです。被験者は、笑顔を見てもスペースキーを押さず、悲しい顔を見たときだけ押すように指示されました。被験者は相手の感情を読み取り、考えてから行動に移すことが求められます。実験の結果、4歳の時、マシュマロテストで満足の遅延に長けていた被験者のほうが、笑顔を見てもキーを押さないことに成功した確率がはるかに高かったのです。フォールス・アラーム(false
alarm、誤反応)率の差は、キーを押す刺激(ゴー)が数回続いた後に押さない刺激(ノーゴー)が来るなど、難度の高い状況において最も顕著に認められた。つまり遅延に長けていた被験者は、感情的刺激による衝動に影響されにくかったことがわかったのです。