同僚の理科の先生が研究授業を行うことになりました。単元を聞いてみると「酸素と二酸化炭素の発生実験」でした。
単元を聞いて思ったのは「盛り上がりに欠けるなぁ」ということです。酸素がものが燃えるのを助けること(助燃性)にしても、二酸化炭素が石灰水を白く濁らせることにしても、小学校である程度学習しているので、生徒の「わかった!」という感情を引き出すのは難しいと感じたからです。放課後、その先生ともう一人の理科担当と一緒に授業を生徒の興味関心を引くものにするにはどうしたらいいか話し合いました。今回はそのときにでた案を書きます。
案①パフォーマンス課題を授業に取り入れる
研修でパフォーマンス課題について教えていただいた内容です。パフォーマンス課題とはリアルな文脈の中で、知識やスキルを応用•総合しつつ使いこなすことを求める課題だそうです。
(課題)
気体の入った試験管が3本あります。
この試験管の中には酸素、水素、二酸化炭素、窒素、アンモニアのどれかが入っています。どのような手順をとれば試験管の中身を特定することができるでしょうか?
このような課題をパフォーマンス課題といいます。科学的に論理的に考える力が求められます。研究授業としてもおもしろそうですね。
案②水素と酸素の混合気体をつくる
実験とてインパクトを求めるならこれです。まず、実験で酸素を発生させて火をつけて助燃性を確認させる。次に実験で水素を発生させて火をつけ、水素が音を立てて燃えることを確認させる。そして最後に水素と酸素の混合気体を燃やします。水素、酸素単体では反応はそれほど大きくありませんが混合気体にすると激しい爆発が起きるのです。時間があれば
「なぜ水素と酸素を混ぜると爆発が大きくなるのか?」
「水素と酸素が爆発すると何ができるのか?」
「水素と酸素をどのような比で混ぜると最も爆発が大きいのか?」
など発展的な内容に踏み込むこともできます。インパクトのある実験ですが、くれぐれも事故には気をつけてくださいね。
酸素と水素の混合気体に火をつけると•••
案③気体の性質について様々な例をもとに考えさせる
気体の性質は、わかっているようで実はわかっていないということが多々あります。
①二酸化炭素を火にかける
二酸化炭素をビーカーに入れておきます。このビーカーを火のついたロウソクの上で傾けると目には見えませんが二酸化炭素がロウソクの火にあたり火が消えます。二酸化炭素が空気より重いということが実感できる実験です。
ドライアイスの煙をろうそくにかけると
ドライアイスの気体を火にかけると
②チョーク(貝がら)に塩酸をかけると二酸化炭素が発生する。
テストにもでる基本的な実験ですが、チョークや貝がらという身近なものを使うだけで盛り上がります。
③アンモニア、硫化水素、塩素など臭い気体に共通する性質とは•••
水に溶けやすい
理由は、私たちが匂いを感じるためには鼻の粘膜に気体が溶ける必要があるため。水に溶けない気体は私たちが匂いを感じないということです。面白いですね。
ということで今回は気体の性質の授業内容を考えてみました。一つの単元だけでも考えてみると色々な面白い実験や授業方法がありました。改めて教材研究の大切さを感じました。