子どもが理科好きになる「疑問のとっかかり」とは?(女子中学生の小さな大発見)

前回自由研究キットについて書き
ました。とはいえ、理科教師として
 
自由研究なんだから本ではなく自由な発想で自分で考えて欲しい」
 
「本の通り組み立てるなんて自由研究ちゃうわぁ」
 
という思いがあります(笑)しかし、生徒にとっては
「自由研究って言われても何していいかわからへん」
というのが本音のようです。もともと理科教師は知的好奇心が旺盛な人が多いので生徒のこのようの気持ちはわからないのではないでしょうか?しかし、子どもは本来知的好奇心の固まりのはずです。私は「疑問のとっかかり」さえあれば、理科の楽しさにのめり込むのではないでしょうか。子どもが空想科学読本が大好きなのも疑問のとっかかりが特撮やアニメなどの身近なものだからだと思います。
そこで自由研究をするとき「疑問のとっかかり」を見つける参考になるおもしろい本があるのでご紹介します。

女子中学生の小さな大発見 清 邦彦著 新潮文庫

この本は私が生徒に読んで欲しい本ランキングベスト5に入るオススメの本です。
教科書と同じように中学生全員に配れば理科離れが無くなるんじゃないかと思うくらい最高の本です(笑)
内容は、清 邦彦先生が
正しい答を求めるばかりが理科だろうか?」という基本に立ち返り理科教師として実践した生徒の自由研究をまとめたものである。
  • 鳥肌は顔と足首にはできない。
  • 醤油は凍らない。
  • 卵は塩水にも砂糖水にも浮く。
  • 昇りのエレベーターの中でジャンプすると体が少し浮く。
  • タンポポの綿毛は233本ある。
  • 温泉を煮詰めたら塩が残った……。
など身の周りのできごとへの疑問(なぜ)と感動(スゴイ)が見事にまとめられています。理科教師がみても
「そうだったのか!」
と思わず唸ってしまうものばかり。やはり子どもは知的好奇心の固まりだと気付かされます。自由研究にはこの本のような自由な発想が欲しいと感じます。生徒だけでなく理科の先生にも是非読んでいただきたい本です。

女子中学生の小さな大発見special edition

スペシャルエディションも発売されています。
窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)