日本の養豚の80%以上で、この妊娠豚用檻(ストール)が使用されています。
ストールの中でただ一匹だけ飼育される豚たちは、背後から何かが近づくとおびえて鳴き声をあげますが、振り返って誰が来たのかを確認することはできません。
方向転換すらできない、みつくろいも、他の豚とたわむれることもできないこの檻の中で豚たちは水を飲み続ける、柵をかじり続ける、食べ物が口に入っていないのに口を動かし続けるなどの異常行動を発現させることが知られています。妊娠豚用檻は、雌の豚を飼育者が管理し
やすいように使われています。妊娠豚用檻を廃止しようとすると、お金がかかります。しかしこの檻は、企業の利益に優先して、いますぐにでもやめるべき飼育方法です。あまりにも残酷だからです。
畜産動物の問題は根が深すぎて、どこからはじめればよいのか分かりませんが、まずは、2013年からEUにおいて禁止となった、妊娠豚用檻(ストール)の廃止を、日本の食肉加工大手5社(日本ハム、伊藤ハム、プリマハム、スターゼン、丸大食品)に、働きかけたいと思います。
わたしたちアニマルライツセンターは、この大手5社に対し、以下2点を求める要望書を提出しています。
1. 自社の養豚場における、妊娠豚用檻(ストール)の使用の廃止と、舎飼から屋外の放牧養豚への移行。
2.自社の商品の原料(豚肉)について、妊娠豚用檻(ストール)の使用を行う養豚業者からの、豚肉の仕入れの廃止。放牧養豚など動物福祉に配慮された飼育方法により生産された豚肉の仕入れへの移行
動物はたんなる農産物ではなく、感受性のあるかけがえのない命です。企業利益よりも大事なものがあることを、企業に問い直してもらいたいです。
(NPO法人アニマルライツセンターより)
動物愛護団体の活動が全て正しいかどうかはわかりませんが、このような事実があるということは知っておくべきだとおもいます。。一番怖いのは、無知です。自分が口にしているものが、どのようにしてこの形になったのかぐらいは知っておくべきです。事実を知った上で始めて、正しいとか間違っているといった議論ができるのではないでしょうか?