気孔の観察はよく行われますが、葉の表裏で気孔の数が異なることはどうでしょうか?ワセリンを葉の表と裏に塗り、蒸散の差を調べることはありますが、実際に観察実験を通して学ぶことは少ないように思います。今回はそんな葉の表裏の気孔の数を観察実験を通して学ぶ方法をご紹介します。
この実験方法は滋賀大学の名誉教授の石上三雄教授から教えていただきました。
まず、使用する植物ですが、実験でもよくつかうツユクサです。
両面テープ、スライドガラス、ろ紙、カッター、ハサミ、柄付き針、ピンセット、厚紙
厚紙に両面テープをはりつけます。
ツユクサの葉を一枚とり、ハサミで半分に切り厚紙に両面テープで葉の裏側が手前を向くように貼り付けます。
カッターで格子状の切り込みをいれると・・・
ピンセットで簡単に表皮をはがすことができます。
同様の作業を葉の表でも行います。
裏に比べると少し剥がしづらいですが、子どもでもできるはずです。切れ込みの筋が見えにくいときは、水を塗り、厚紙を凸型に丸めると線が見やすくなります。カッターを軽くあてるのがポイントです。
無事葉の表と裏の表皮が取れました。プレパラートをつくり観察してみます。
たくさんの気孔を観察することができました。
絞り板付き顕微鏡では難易度が高いですが、酢酸カーミンで染色すれば、孔辺細胞の観察もできるそうです。その際は、酢酸カーミン液を一滴たらして、1分間待ってからカバーガラスをかけて観察を行ってください。
ということで滋賀大学名誉教授石上三雄先生の表裏の気孔の数を観察実験を通して調べる方法でした。実験を通して学ぶところに大きな意味があります。ぜひ授業でやってみてください。