騒動の経緯
2010年2月9日、スノーボード・ハーフパイプ日本代表としてバンクーバーに向かう際、日本選手団公式ユニフォームを崩し、腰パン、緩めたネクタイ、またブレザーの前を開け放しシャツの裾も出し、さらにはドレッドヘアに鼻ピアス、サングラスという独特の(要は”だらしない”)スタイル成田空港に現れ、「結果よりも内容。(滑りを見て)格好いいと思ってもらえればいい。最近のスノーボードはすげぇダセえから」と持論を展開し、そのままバンクーバーに向けて出国した。日本代表の”服装の乱れ“であり、出国の様子を見た人々から日本オリンピック委員会(JOC)と全日本スキー連盟(SAJ)に対し抗議が殺到。日本選手団公式服装着用違反でもあり、JOCは日本代表選手団団長の橋本聖子を通じスノーボード監督の萩原文和に厳重注意し、國母は選手村入村式を欠席させられた。
バンクーバーオリンピック國母和宏選手の服装問題
翌10日、ハーフパイプ陣の記者会見にて「気持ちは何も変わっていない。自分にとって五輪はスノーボードの一部で、特別なものでない」「自分の滑りをすることしか考えていない」と意気込みを語り、服装の乱れについても「反省してまーす」と発言した。しかしこの際に舌打ちしつつ「チッ、うっせーな」と言葉を発した。
この騒動を受け、國母の所属する東海大学の監督である相原博之が急遽謝罪のために現地に向かった。また、大学は札幌キャンパスでの応援会を中止すると発表した。SAJから國母のオリンピック競技への参加を辞退させる意向が伝えられたものの、橋本聖子団長の判断で「競技をしないで帰国することは逆に無責任になる」として競技に参加し、開会式は欠席した。この問題は日本国外の報道機関も報道した。2月15日公式練習後の試合会場での即席会見ではマウスピースを入れたまま答えたため、一部マスコミはマナーが欠けるとした。
騒動に関する意見
- 東海大学は2月12日に「國母選手に対する本学の見解について」で見解を示し、服装や記者会見について國母の言動に「誠に遺憾」とし、大学側として國母に対し日本代表として模範となる行動を取るべきであり、今後とも学生への教育・指導に努めると述べた。
- 東海大学の先輩にあたる読売ジャイアンツ監督・原
辰徳は「まだ若い。新たな目標を見つけて前に突き進むでしょう。世界の8位はすごいと思う」と述べた。
- 格闘家の山本徳郁は
- 「(批判について)くだらん」
- 「試合前にこんなバッシングしてどうすんだよ。すんなら後にしろって感じだな」と競技前のバッシングを批判した。
- 芸能界ではヒロミが自身のブログで騒動を「くだらねぇな」、テリー伊藤が「よその国は彼を全然批判してない。日本だけが批判している」とコメントした。
- 政界では衆議院予算委員会でこの問題について自民党の衆議院議員下村博文が取り上げ、川端達夫文部科学大臣(当時)は「代表の服装としては全く適切ではなく極めて遺憾。一緒にいたコーチが服装について指導せず、記者会見も本当に反省している態度では無く、皆の期待を受けて日本代表して参加している自覚が著しく欠けていた」と答弁した。
- 一方、自民党参院幹事長の谷川秀善は「スポーツ選手は個性があり、國母選手の一見乱れた服装もやむを得ない」「選手を怒るのはかわいそう」「監督にも責任がある」と擁護している。
騒動後
2010年2月21日、日本代表チームが帰国した際の國母の公式スーツの着こなしは、シャツ出し、腰パンがなかった。國母は
「最後まで応援してくれた人に感謝してます」
「自分のスタイルを変えずに、そのままいきたい」
「スノーボード界の流れはこれで確実にいい方にいくと思う」
と述べた。國母により競技への関心が集まった事で、
「メジャーといえないスノーボード界全体にスポットライトが当たった」
ことや、
「プロ選手の待遇改善の起爆剤になるのでは」
として、國母を擁護する者もいる。3月24日、國母が発端となった服装の乱れの再発防止として、全日本スキー連盟は代表の行動規範を制定する原案を提出した。
2012年、全米オープン連覇を記念した朝日新聞のインタビュー記事の中で騒動について「もう終わったこと。嫌な思い出は全くないです」と返答している。
↓行きと帰りの服装の違い↓
(Wikipediaより)
いろいろ考えさせられる問題ですね。著名人の意見も様々です。生徒にも服装の乱れについて
「生徒手帳に書いてあるからダメ」
ではなく、なぜダメなのかをもう一度考えさせたいと感じました。