考えさせられた滑車の問題

親戚の中学生から急にメールがきました。

「この問題教えて~!」

問題

矢印の部分を何Nで引くとこの滑車はつり合いますか?

「・・・何この問題!?」

私立中学ということで変わった問題の出し方に少し戸惑いました。

あなたは、解くことができますか?

正直、ふたばはすぐに答えがでませんでした・・・だって・・・だってふたばは生物学専攻だから・・・なんて言い訳を親戚の子にするわけにもいかず、理科の専門家としてのプライドをかけてない頭をひねりました。そして閃きました!

「あっ、逆やん!」

解説

見たことない問題を見るとつい焦ってしまいます。最近の入試問題なんて見たことない問題ばっかりですもんね。この問題も見たことない人は少し混乱してしまうかもしれません。でも、よく考えれば大丈夫。既習内容を組み合わせるだけで解くことができます。

この問題はよくある動滑車の問題です。60㎏の重りを持ち上げるのに必要な力は、半分の30㎏です。仕事の原理により、重りを10㎝動かすためには20㎝ひもを引く必要があります。この問題を逆にすると・・・

そう、さっきの問題になるんです。天井にひもを固定することはよくありますが、床に固定するバージョンもあるんですね。

解答

ということで正解は120㎏。2倍の重さになるかわりに、ひもを引く長さは半分になるんです。面白い問題だと思いました。

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher 家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。 先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。 記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。 【著書】 100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版] 授業力&学級経営力2023年12月号(記事執筆)[明治図書出版] 【協力実績】 株式会社 NHKエデュケーショナル 国立科学博物館 株式会社Gakken 日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」 株式会社 朝日新聞社 企画事業本部文化事業部 株式会社 高純度化学研究所 株式会社 アスウム 株式会社 学映システム 株式会社リバネス(教育応援VOL55) 株式会社ジヤトコ 富山県教育委員会「とやま科学オリンピック」 東京学芸大学 理科教育学分野 高知大学教育学部附属小学校 横須賀市立浦賀中学校 田尻町立中学校 順不同 Apple Teacher MIE(Microsoft Innovative Educator)

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