気象は生徒にとても身近な教材です。しかし、その割に「気象が好き」という子どもはあまり多くないように感じます。今回は気象観測を行う機械から生徒の興味関心を高められる豆知識を考えていきたいと思います。
①雲量
雲量を見るための装置です。装置といっても料理で使うボールを逆さにしただけです(笑)100均で間に合います。
プラスチック製のミニタイプもあります。これなら安いので生徒一人ひとりに配れそうです。雲量は0〜10の11段階で表し、
雲量0、1が快晴
雲量2〜8晴れ
雲量9、10曇り
と晴れの範囲がとても広いのポイントです。ちなみに雲量は目測することになっています。気象観測所のおじさんおばさんの職人技で決まってるんです。これは、1秒をセシウム原子で測ったり、メートルを光の速度をもとに考えられたりしているのと比べるとすごいことだと思います。
↑こちらは気象観測の教材として賞をとった、雲量観測マシーンです。ビニール傘です(笑)8つにわかれたビニールの部分の2つ(4分の1)、黒いマークが25個等間隔に打たれています。
この傘を黒いマークがついている部分を前にして立ち黒い点と雲が重なっている部分を数えます。向きを変えて東西南北を測ると・・・雲量を百分率で(パーセント)で求めることができるのです!!!アイデア賞です!
②アネロイド気圧計
気圧を測る機械です。アネロイドとは水を使わないという意味があるそうです。このアネロイド気圧計ですが、大気圧以外を測ることもできます。
同じサイズのタッパにいれて、隙間を埋めて
後ろに穴を開ければ
ジャジャーン
チューブを使うと好きな部分の気圧が測れます。賢い人がいるんですねぇ。
③雨量計
雨量計です。埋めて使います。
中にはガラスの容器が入っていて、それを雨量マス(メスシリンダー)でミリメートルで測ります。
↑中は漏斗状になっており。
バケツとガラスの容器が入っています。ほったらかしにすると上の写真のようになります(笑)
「1時間で500mmは大雨?弱い雨?」
と発問すると生徒が意外と雨量の目安がわかってないことがわかりますよー。500mlのペットボトルを一時間かけてかけられる感じ。ただし、空には隙間なく500mlペットボトルが並んでいますと考えると面白いです。
こちらは教科書にもでてくる転倒升型雨量計です。
上から雨が入って升に溜まると・・・
0.5mmの雨量で一回カタンとなります。面白い仕組みです。
もし大雨だと
色々な意味で・・・怖いです。
転倒マス型にはシーソーの軸となる部分に筒に入った水銀があって、この水銀が電気を通すことでカウントする仕組みになっています。うーん、賢い!
④百葉箱
マシーンとは言えないですが、気象観測といえば百葉箱ではないでしょうか?気温などを測るために日陰の地上から150センチの高さにあります。小学校の中庭の隅にあるイメージですね。
開く部分は日陰になる北側にくるようにします。百葉箱の中は
こんな風になっています。
⑤乾湿計
授業でもでてくる乾湿計。乾球と湿球からなり、気温と湿度を測ることができます。
⑥最高温度計、最低温度計
最高気温は、 以前体温計で使われていた水銀で計測します。そういえば、体温は最高温度で測ってたんですね。最低気温はアルコールで測ります。管内に指針とよばれる小さな鉄棒や着色ガラス棒が入っています。温度が下がるとアルコール表面が球部の方に移動して指針を押し出します。温度が上がっても指針は置き去りにされるので最低温度を測ることができるのです。仕組みを知ると面白いです。
最近は上の写真のような装置があり、1つで最高気温と最低気温測ることができます。真ん中のボタンを押すとリセットできます。仕組みは不明です。調べてみてください。
⑦放射温度計
赤外線などで放射熱を遠くの温度を測ることができます。
ビデオカメラ型もあります。
技術の進歩はすごいですね。
⑧温度記録計
温度を自動で記録してくれます。
このアナログ感がたまりませんね。
上につまみがあり1日、7日(1週間)、32日に変えられます。・・・なんで32日なんでしょうか?謎です。
旧タイプ。仕組みが気になりますね。
側面に反った金属の板があります。二枚の金属を張り合わせた構造になっています。温度変化によって膨張率の異なる金属板が反ることで記録用紙に温度変化を記録します。
⑨湿度記録計
ぱっと見は温度記録計と変わりませんがこちらは湿度を記録します。仕組みは・・・
やはり側面にあります。中身は・・・
この繊維状のものって・・・・まさか・・・
髪の毛やー!
おそるおそる先生に
「・・・これって人毛じゃないですよね?」
と聞くと。
「人の毛やで」
!?
ふたばはしばらく放心してしまいました。たしかに雨の日は天然パーマが激しくなるけど、まさか記録計に使われているとは・・・。ちなみに、色素の薄い、フランス人の毛がいいそうです。かなり年代物の機器ですが、この髪の毛の持ち主は今頃どこで何をしているのでしょうか?うーん、ボンジュール♩
いかがでしたでしょうか? 気象観測を機械から迫るのも面白いと感じました。