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放射線を測定器で学ぶ

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下の写真は放射線を測定する 「はかるくん」です。文部科学省の文字が輝いていますね。福島の原発事故が起こるまでは、原子力についての啓蒙活動が盛んで予算も多かったそうです。このはかるくんは原子力の啓蒙活動の1つとして、学校で教育活動を行いたい時には文部科学省に簡単な書類を提出するだけで20台程度を無料で借りることができました。送料も返送料も文部科学省もちでした。ちなみにはかるくんは一台12、3万円します・・・すごいお金が動いてますよね。はかるくんは原子力発電所の事故以来、啓蒙活動の予算がなくなったため各都道府県の教育センターや教育委員会に振り分けられたそうです。色々考えさせられますね。

はかるくん

一時期は電力不足や原子力廃止がテレビで連日流れていましたが、今ではあまり見かけません。ちなみに今、電力不足があまり叫ばれていませんがその理由をご存知ですか?実は昔使っていた発電効率の悪い火力発電機を再稼動させることで急場をしのいでいるんです。地球温暖化に対しては非常にマイナスです。
※地球温暖化も諸説ありますが・・・。
そんな今だからこそ子どもたちには放射線について正しい理解が必要です。
まずは基礎知識
放射能、放射線、放射性物質
3つの違いは分かりますか?
それぞれ以下のようになります。
放射能→放射線をだす能力
放射線→α線、β線、γ線など他の物質を電離させるもの
放射性物質→放射線をだす物質
蛍を例にすると
蛍の光る能力→放射能
光→放射線
蛍→放射性物質
になります。
「放射能漏れ」という言葉が間違っていることがわかりますね。メディアの方も理解されていないんです。今回は放射線について測定器から迫っていきます。

身近な放射線

はかるくんは、身の回りにある放射線であるγ線を測定することができます。1分間測定してその後は10秒ごとに更新されます。ある場所の放射線を測定するには1分間放置する必要があります。ブザーボタンを押すと放射線がはかるくんにあたるたびにブザー音がします。例えるなら雨に打たれる感じです。外に出ていても雨に打たれる数はまちまちですよね。
そのため、同じ場所でも測定値はまちまちになります。
こちらはガイガー=ミュラー計数管。これもγ線を調べることができます。累積した放射線を調べることができます。
測定している放射性物質はこちら。
実は、キャンプなどに使われるランタンの芯。マントルと呼ばれるものです。トリウムが含まれているので微量ですが放射線を出します。
これはサーベイメーター。β線を調べることができます。
はかるくんを使って色々な場所を測定してみました。
1.4マイクロシーベルトと他の場所より少し高くなった場所がありました。それは地下室です。風通しの悪いところは放射線が溜まりやすいんです。
岩でできた床。

花崗岩です。
黒床岩と白床岩ででは明らかに白い床岩の方が高い放射線を出していました。なんでも花崗岩に含まれる微量のウランによるそうです。

最後に花壇を調べました。とても低いあたいでしたが、本来とても高い値になるそうです。理由は肥料に含まれるカリウムから放射線がでるからだそうです。この花壇は枯れているので誰も肥料をやっていないことが分かりました。
身近なところに放射線はたくさんあるんですね。ただ、怖がるのではなく、放射線について正しく理解することが必要だと思いました。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

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