ふたばのブログ〜理科教育と道徳教育を科学する〜

ボルタ電池の不思議に迫る

time 2017/08/18

硫酸に銅板と亜鉛版をつかった電池をボルタ電池といいます。今回はボルタ電池の不思議に迫っていきたいと思います。

ボルタ電池の不思議に迫る

実験方法

まず、亜鉛版だけを硫酸に浸します。
亜鉛版が溶けて気体が発生しました。
Zn→Zn2+ + 2e-
H2SO4→2H+ +SO42-
2H++ 2e- → H2
続いて銅板です。亜鉛と違って溶けません。亜鉛は水素よりイオン化傾向が高く、銅は低いためです。銅板には気体が発生しませんでした。
次に銅板の上に亜鉛版を重ねます。すると・・・
いままで反応しなかった銅板から気体が発生しました。
ステンレス製のピンセットで繋げても同じです。何が起こったのでしょう?実は知らぬ間に電池を作ってしまっていたのです。
今回作ったボルタ電池について説明します。

実験解説

100mlのビーカーに硫酸を入れます。
電極には銅板と亜鉛版を使います。
電圧は実測値で1Vほどでした。
直流電圧0.4V〜3V、消費電流27mAのモーター(弱い電流で回るモーター)に繋ぎます。
・・・電池切れ感が半端ないです。今にも止まりそうです。


そこで使うのがこの魔法の液体です。
魔法の液体を銅板付近に垂らすと・・・
おー!モーターの速度が速くなりました!
少しするとモーターの回転速度はさらに高まりました。何が起こったのでしょうか?気になるのは銅板ですね。
何やらすごい勢いで気体が発生しています。
この気体の正体は酸素です。初め、モーターがうまく回らなかったのはボルタ電池の弱点である「分極」がおこったからです。ボルタ電池における分極とは、銅板に発生した水素によって、電池の反応が妨げられることを言います。この分極を防ぐには、邪魔な水素を取り除く必要があります。そこで使ったのが魔法の液体です。魔法の液体の正体は「過酸化水素水」(H2O2)別名オキシドールです。消毒液として使う血に垂らすとシュワシュワするやつです。過酸化水素は電極で酸化剤として作用します。水素を酸化させて水を作ってるんです。だから、分極が起きずに電池のパワーが増したんですね。

電極の様子

電池を使った後の電極。亜鉛が溶け出して色が変わっています。
硫酸に亜鉛が溶け出して色がつきました。

電極の厚み

真上から見ると亜鉛版が薄くなっているのがよくわかります。
やっぱり電池は面白いですね。中学校の授業で実験を行うときも、ただ、電気を流すだけでなく、探求的なより深い学びに繋げたいと感じました。

【ボルタ電池の動画】

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自己紹介

ふたば

ふたば

1986年生まれ、三十路超え 近畿大学農学部卒業、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成過程修了、家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。 教材や教具の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。 ゆくゆくはこのブログの内容を本にしてまとめられたらと考えています。記事執筆、講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

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