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孔雀石「Cu2CO3(OH)2」を還元させて銅を取り出す

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孔雀石という緑色の鉱石があります。今回は孔雀石をつかった面白い実験をご紹介します。

孔雀石「Cu2CO3(OH)2」を還元させて銅を取り出す

クジャク石は、100均にも売っています。
↑100均で売っている孔雀石の外観
この鉱物の化学式はCu2CO3(OH)2。昔はこの鉱物を還元することで銅を取り出していたそうです。今回は孔雀石を還元させて銅を取り出す実験を紹介します。

実験方法

はじめに孔雀石を粉々にします。カナヅチで砕いた後、鉄製乳ばちですり潰します。さらにふるいをかけると
このような黄緑色の粉になります。
還元には中学校では炭素か水素を使うのが一般的です。でも、還元には水素と炭素が含まれていれば様々なものが使えます。エタノール、砂糖、デンプン、小麦粉、果てにはクッキーなども還元に利用できるようです。すごいですね。石油製品も水素と炭素が含まれるので還元に使えます。ということで
今回はアクセサリーなどをいれるポリエチレン( -(CH2-CH2)- n)の袋で還元していきたいと思います。楽しみです。


ポリエチレンの袋をクシャクシャにして試験管に詰めます。
孔雀石の粉末をいれて脱脂綿で栓をします。
綿を使うのは還元の際に発生する気体が出てこないようにするためです。
ポリエチレンの燃焼では水が発生するため、試験管の口は下に向けるようにします。加熱する場所はポリエチレンではなく孔雀石の付近にすると孔雀石→ポリエチレンの順に熱が伝わり還元が上手くいくようです。
孔雀石が徐々に黒くなっていきます。
この状態でポリエチレンが加熱されて気化すると・・・
黒かった孔雀石の上を白い煙が通って還元が行われます。
酸化還元反応です。
試験管の中に赤褐色の銅ができました。
元の孔雀石とは大きく違いますね。
出てきたのが本当に銅なのか確かめます。
金属の薬さじで擦ると金属光沢を放ちました。導電チェッカーを使っても面白いですね。還元にはエタノールを使った方法もあるそうです。エタノール2mlを沸騰石20個程度にに染み込ませます。この沸騰石をアルミホイルの船に乗せてポリエチレンの袋のように奥に詰めるとよいそうです。様々な還元方法を試すことで還元への理解が高まりますね。
この実験は岩手県総合教育センターのホームページで紹介されています。
気になる方はご覧ください。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
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