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ワークシートから考える「生徒が実験の考察を書けない理由」

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12月の理科の研修に行って気づいたことがあります。なぜ今まで気づかなかったのかが不思議です。もったいぶらずに書くと「生徒が実験の考察を書けない理由」です。

生徒が実験の考察を書けない理由

今まで、生徒に
「考察って何書くのかわからへん。」
「結果と考察ってなにが違うの?」
と言われたときに
「考察には結果からわかったことを書きなさい」
と答えていました。実験プリントは下のような感じでした。
しかし、どれだけ説明しても生徒は全く考察が書けません。なぜか?それは何のために実験をしているのかわかっていないからです。考えてみれば当たり前ですね。何のために実験をしているかわからないのですから、考えて察すると言われてもなにを考えていいのかわかるはずがありません。足りないのは
疑問と仮説
でした。そこで実験プリントを改良しました。

改良版

疑問→仮説→実験→考察の順で書かせる形式にしました。PDCAサイクル(Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善))に習って作ってみました。

QHECサイクル

QHECサイクル
question(疑問)→hypothesis( 仮説)→
experimentation
(実験)→
consideration(考察))と名付けます(笑)
疑問がない人は実験をしません。教科書は目的から実験が始まりますがそれはおかしいです。

探偵ナイトスクープで実験、結果、考察を考える

少し前の探偵ナイトスクープで「カメムシを食べたい」という依頼があったのですがこのQHECサイクルがしっかりと盛り込まれていました。
疑問:カメムシはどんな味なのか?
仮説:臭いものは美味しいから美味しいはずだ。
実験:実際に食べてみた。
結果:かっぱえびせんの味がした。
考察:やはり、臭いものは美味しい
•••どうでしょう?完璧ですね。ここから他の臭い虫も美味しいのか?など次の疑問がでてこれば完璧なQHECサイクルです。理科に興味をもつということは疑問をもつということだと思います。生徒が
「なぜ?」「どうして?」
と聞いてこれば興味をもった証拠です。生徒から疑問を引き出せる教師になりたいものです。

 事物•現象、分析•解釈シート

↑今回の記事を書くヒントになった事物•現象、分析•解釈シートです。よく考えられていますね。

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自己紹介(PROFILE)

窪田 一志

窪田 一志

1986年生まれ、近畿大学農学部卒業、学びエイド認定鉄人講師、理科コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成課程修了、MIE(Microsoft Innovative Educator 2022)取得、Apple Teacher
家庭教師、個別指導、塾講師を経て、神奈川県で5年間中学校理科教師として勤務。現在は大阪府の公立中学校で理科の楽しさを子どもたちに伝えるため日々奮闘中。
教材や教具、デジタル教材の開発、効果的なICT機器の活用方法、カードゲームや問題解決を通してのコミュニケーション能力の育成など自らの実践に基づいた教育活動を展開中。
ブログのアクセス数は月10万pvを超え、中学理科の授業情報をまとめた書籍「100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100」を明治図書から出版。また、ブログがアプリ化されるなど勢いのある教育研究者 兼 教育実践者。
先生向け情報サイト「ふたばのブログ」の他、反転学習や、家庭学習に利用できるオンライン学習サイト「ふたば塾」、中学理科の授業動画を中心としたYoutubeチャンネル「ふたば塾」を運営。
記事執筆、研修・講演依頼、書籍化についてはお問い合わせフォームからお願いします。

【著書】


100均グッズからICTまで 中学校理科アイテム&アイデア100[明治図書出版]





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